2016年10月12日水曜日

中国、鉄鋼大手が破綻

 中国の国有鉄鋼大手、東北特殊鋼集団が債務超過の陥り経営破綻。11日までに遼寧省大連市の裁判所で破産処理の手続に入ったそうです。

 負債総額は約500億元(日本円で約7700億円)。中国政府は「企業の悪意ある債務逃れを調べ、モラルハザードを防ぐ」として、救済はしない方針です。

 中国は主要産業を、国策として資金と投じて育成してきました。そのため自然淘汰が働かず、供給過剰で製品価格が下落して業界全体が苦境に陥る状況に。しかも、余った製品を処分するため、これも低価格で輸出するため、影響が世界に広がっていました。

 しかも、中国政府が業界と雇用の保護のために救済する事が多く、本来ならとっくに破綻しているはずの企業が経営を続ける、いわゆるゾンビ企業が多数存在します。東北特殊鋼集団は典型的なゾンビ企業で、今年に入って満期を迎えた社債等を償還できない債務不履行を9回も起こし、経営トップが自殺するなど混乱が続いていました。

 中国の鉄鋼業界は、半分がゾンビ企業とも言われており、今回の破綻も氷山の一角のそれ以前です。しかし、中国政府は欧米諸国からも構造調整を求められており、対応せざるを得ない状態です。