山形県警生活環境課と山形署は29日、山形市のエステ店で医師免許を持たずに医療行為の「光脱毛」を行ったとして、同店を経営する「ブラッサム」社長の荒井昭好(48)(山形市旅篭町)ら3容疑者を医師法違反(無資格医業)の疑いで逮捕しました。
荒井容疑者のほかに逮捕されたのは、いずれも元従業員の金須なつ美(28)(同市吉原南)と鈴木智子(26)(天童市高擶北)両容疑者です。
県警は約5800人分の顧客情報が記されたカルテを押収しており、同店の営業実態などを詳しく調べる方針です。
3人は共謀して昨年12月中旬~今年5月中旬、山形市緑町のエステ店「メディカル&エステティックメソッドブラッサム」で、医師免許がないにもかかわらず、同市の20歳代女性2人に計7回、光脱毛機を使って顔や腕などの脱毛をする医療行為をした疑いが持たれています。
荒井、金須両容疑者は調べに対し「違法と認識していた」と供述。鈴木容疑者は「脱毛行為は行っていたが、(違法かどうかは)よく分からなかった」と述べているという事です。
問題のエステ店は2000年に営業を開始し。2004年には同社が経営に関与する医院が同じ建物内に開設されましたが、医師が訪れるのは月に数回程度で、店で脱毛した女性からは「軽いやけどをした」と言う複数の相談が、県警に寄せられているといいます。
厚生労働省は2001年11月、光脱毛について「強力な光を毛根に照射し、毛乳頭等を破壊するのは医療行為に当たる」との見解を示しています。
県警は今月5日に同店の家宅捜索を実施。押収した外国製の光脱毛機を警察庁の科学警察研究所に鑑定依頼し、「医療器具に該当する」などと回答を得たため、医師法違反事件として逮捕に踏み切りました。